フジはネットフリックスより割安で独自コンテンツを作れる
──プラットフォーマーっていろんな相手と等分に付き合うというのが成長の秘訣だったと思うんです。ヤフーはそうやってきた。これが、楽天はTBS、ライブドアはフジテレビっていうふうに、資本関係ができちゃうと、他社のコンテンツが入ってこないんじゃないかというふうに私は当時思っていたんですけど、それはどうでしょう?
「そんなことないと思いますよ。自分たちでつくればいいし」
といって堀江が持ち出してきたのはネットフリックスだった。ネットフリックスはコンテンツの提供も受けているが、たしかに「イカゲーム」や「クイーンズ・ギャンビット」などこれはというキラーコンテンツは自社でつくっている。
「フジテレビってすごくいい資産を持っているんです。番組制作能力というサプライチェーンがフジテレビを頂点としてできてるんです。やっぱりブランドなんですよ。それはすごいと思いますよ。過去の資産もある。それこそ、『オレたちひょうきん族』をリメイクしてもいいし、『ムツゴロウとゆかいな仲間たち』を別のムツゴロウさんを連れてきてリメイクしてもいい。いっぱい知的財産(IP)をもっているんですよ」
「しかもそのサプライチェーンがあるから、ネットフリックスより安くいいコンテンツをつくることができる。今フジのネットのサブスクのサービスFODの会員が150万人ですか。ネットフリックスの日本の会員が1000万人という発表があったから、1000万人はいける。そうしたらば、制作費も増えるからグローバル展開もできる。広告費の一本足打法である地上波に頼っているかぎり難しい」
その堀江は、今回のフジテレビ問題が起こったあと、フジテレビの株を買ったのだという。
だが、2月24日号で書いたように、今の放送法では、3分の1以上の株を単一の株主が持つことはできない。会社を変えることは難しいのではないか。
が、堀江は「方法はある」と言う。
以下次回。
※AERA 2025年3月24日号

