インタビューの様子は「ホリエモンチャンネル」で3月末ごろ公開予定(変更する可能性があります)。(撮影/写真映像部・和仁貢介)

決済アカウントをとることに集中した

「日本のこの30年の衰退を招いた元凶の一つは地上波テレビ局です。これは間違いない」

 こう断言する堀江は、もし2005年にフジテレビを買収できて、社長になっていたらば、まず「i-modeを使ってフジの有料サービスを広げようと思っていた」

 i-modeはガラケー用に開発されたインターネットのプロトコルで、送ることのできる情報量は限られていたが、爆発的にヒットした。

──しかし、当時送ることのできるのは、せいぜい着メロとか文字情報ぐらいです。

「それが重要なのではないんです。ようは利用者の決済アカウントをとることが重要だった。そのアカウントさえあれば、後に技術革新がおこって動画が送れるようになった時、サービスを追加するだけでいい」

 堀江のライブドアグループには証券会社やクレジット会社などの金融部門もあった。それとの連携を当時から考えていたのだという。

 後に日本の独占的プラットフォーマーになるヤフーを見てみると、2001年には、ジャパンネット銀行と業務提携をむすび金融機能をもちはじめている。これはECに進出する以上必要だったからだが、プラットフォーマーとして成長するにはまず金融とのシナジーから業務をみていたのである。

「手のひらサイズのすごく便利な、スマートなデバイスが出てくるだろうなということは確実に思っていたんです。それは何なのかは置いといて、とにかく動画は見られるようになるし、いろんなものが見られるようになると予測していた。だから大事なのは決済アカウント」

 そして堀江の予想どおり、技術革新が起こり、日本でも2008年にiPhoneが発売になり、通信の方式も2010年に3Gから4Gに進化することで、動いている電車にも、動画をシームレスに送れるようになった。スマホの普及率はわずか2年で、全家庭の6割に達する。

「ちょうど僕が刑務所に入っていた頃です(笑)。僕が入るときはまだガラケーが優勢で、僕ぐらいしかスマホは持ってなかったですけど、出てきたらスマホ、めっちゃ普及してんじゃん、てなってました」

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