
共学化で人気が急上昇
首都圏では実際に男女別学の中学・高校から共学にリニューアルし、人気が急上昇した学校が多くある。共学化とともに、サイエンス教育やグローバル教育、ICTなど新しい教育を打ち出す学校も多い。
例えば進学校として知られる渋谷教育学園渋谷(東京都渋谷区)だ。東大の推薦入試で毎年合格者を出すことでも注目を集める。もともとは女子校だったが96年に共学化し、校名も変えた。広尾学園(同港区)も07年に共学化し、校名変更した人気校で、個性的なIT・理系教育で知られている。
もうひとつの理由は「ジェンダー平等意識の高まり」だ。85年に男女雇用機会均等法、99年に男女共同参画社会基本法が制定され、女性の社会進出やジェンダー平等に対する意識は高まっている。男女が入り交じる共学の環境は異なる価値観を学びやすく、コミュニケーション能力が高まるといったメリットもありそうだ。
「ジェンダー平等の観点から性別によって入学できない学校があるのは不公平だ」「男女を分けること自体が差別であり不自然」「トランスジェンダーの生徒は別学に通うのが難しい」といった声も聞かれる。(ライター・浴野朝香)
※AERA 2025年3月17日号より抜粋

