一方で流動的なのは残る2つのポジションだ。昨年坂本勇人がサード、門脇誠がショートを守ることが多かったが、ともにスタメン起用は100試合を下回っている。今年のここまでの練習試合やオープン戦を見ても中山礼都、泉口友汰に加えてルーキーの浦田俊輔と荒巻悠も積極的に起用されており、新たな戦力を発掘しようという首脳陣の思惑が感じられる。中でも中山は見事なここまで見事な結果を残しており、浦田も怪我で離脱となったものの抜群のスピードでアピールしていた。また昨シーズン低迷した秋広優人も復調の兆しを見せており、秋広がファーストに入れば当然サードは岡本が回ることになる。そうなると坂本といえども開幕から結果を残す必要があり、守備力の高い門脇も打撃面での成長が求められることは間違いないだろう。
残る外野の3つのポジションもレギュラー争いは激化している印象だ。昨年は丸佳浩が復活の兆しを見せ、途中加入のヘルナンデスも大きな戦力となったが、彼ら以外にもレギュラー候補は多い。まず名前が挙がるのが新外国人のキャベッジだ。メジャーでの実績はそれほどでもないが、マイナーリーグではかなりの成績を残しており、推定年俸2億円という金額を考えても球団の期待は高い。オープン戦でもここまで6安打中4本がツーベースと長打力を見せており、このままいけば開幕スタメンの可能性も高いだろう。
若手ではいずれも今季が3年目となる浅野翔吾と萩尾匡也も候補となる。昨年はともに一軍でも存在感を示しており、長打力のある右打者という点も貴重だ。ただ両選手はそろって守備にはまだ課題があるだけに、レギュラー獲得には打撃で強烈なインパクトを残す必要があるだろう。そしてこのオープン戦で強烈にアピールしているのがオコエ瑠偉だ。3月9日の阪神戦では4安打を放ち、打率も5割近い数字を残している。この調子がキープできれば一気にレギュラー候補となることも十分に考えられるだろう。