今季から巨人でプレーする甲斐拓也
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 昨年は4年ぶりのリーグ優勝を果たしながら、クライマックスシリーズではDeNAに敗れて日本シリーズ進出を逃した巨人。オフには菅野智之(オリオールズ)がメジャーに移籍したものの、実績のある選手を獲得してポジション争いはさらに過熱している状況だ。そんな巨人で定位置をつかむ選手は誰になるのか。これまでのキャンプやオープン戦でのプレーぶりから探ってみたいと思う(オープン戦の成績は3月12日終了時点)。

【写真】今季は「控え」に回る可能性が高い選手といえば、この人

 まず最も注目度が高いのがフリーエージェント(FA)で甲斐拓也が加入した捕手だ。昨年は岸田行倫、大城卓三、小林誠司の3人体制で臨んでいたが、小林は基本的に菅野が先発する時に先発起用されていたことを考えると控えに回る可能性が高い。実績を考えるとやはり甲斐が最もレギュラーに近いという見方が一般的だろう。ただ、そのまますんなりと甲斐が不動の正捕手となるかは微妙な状況だ。特に大きなネックとなりそうなのが打撃面である。

 甲斐は過去に一度もシーズン100安打をクリアしたことはなく、通算打率も.223と決して高くはない。オープン戦でもここまで14打数2安打、打率.143と低調な数に終わっている。一方で大城は2021年から3年連続で二桁本塁打を放つなど球界でも屈指の打てる捕手であり、岸田も昨年打撃面で成長したところを見せている。指名打者のあるパ・リーグとは違い、セ・リーグの打者はある程度の打撃も求められることを考えると、甲斐の打撃が低調なままであれば、スタメンから外れるケースが増えてくることも十分に考えられるだろう。

 続いて内野だが、レギュラーが確定的と見られるのがファーストの岡本和真とセカンドの吉川尚輝だ。岡本は大城がファーストで起用されるときはサードに回ることもありそうだが、メンバーから外れることは考えづらい。また吉川は昨年のポストシーズンに怪我で離脱したことが不安視されていたが、3月12日のソフトバンクとのオープン戦ではホームランを含む4打数4安打を記録するなど順調な調整ぶりを見せている。クライマックスシリーズでも吉川の穴の大きさを感じただけに、これには首脳陣もファンも安心したのではないだろうか。

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内野、外野も“激しい”定位置争い