西武の今井達也
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 侍ジャパンが京セラドームで3月5、6日にオランダと強化試合を行った。際立ったのは投手陣の充実ぶりだ。初戦は5-0、2戦目も9-0で2試合連続1安打完封。とくに2戦目は6投手が継投して8回二死まで走者を一人も出さなかった。曽谷龍平(オリックス)が三塁へ転がるボテボテの内野安打を許したため継投での完全試合は達成できなかったが、投手陣は完璧な内容だった。

【写真】侍ジャパン強化試合で「一番のインパクトがあった」と言われる投手はこの人

 シーズンオフの国際大会と違い、開幕に向けて各選手がコンディションを上げていた時期だったことも良いパフォーマンスを発揮できた要因だろう。多くの選手がバックネット裏に詰めかけたメジャー関係者に強いインパクトを与えていた。

 メジャーリーガーの代理人は、「日本人の投手は全体的にクオリティーが高い。この大会でも好投したが、メジャーの複数球団から評価が高いのが宮城大弥(オリックス)、今井達也(西武)です。直球の威力、変化球のキレに加えて2人はシーズンを通じて活躍できる体の強さがある。総合力で言えば、ドジャースの『佐々木朗希より上』と評価している球団もあります」と話す。

 佐々木と同学年の宮城は、1戦目に先発登板して3回をパーフェクトに抑えて4奪三振。今大会で唯一23年のWBC世界一を経験した左腕は、140キロ台後半の直球で内角を果敢に突き、キレ味鋭いスライダー、90キロ台のスローカーブなどを駆使。キャッチャーのミットが構えた場所から動かない抜群の制球力で、格の違いを見せた。

 今井も凄みのある球を投げ込んだ。1戦目の6回から救援登板すると、直球は最速158キロを計測。2回3奪三振無失点の快投を見せた。米国西海岸のスカウトは、今井を絶賛する。

「近年の成長速度は目を見張るものがある。この試合では剛速球を投げ込んでいたけど、抜けていた球もあったので、仕上がりは60、70%ぐらいでしょう。力感のないフォームからあれだけの球を投げられる投手はいない。投球スタイルで重なるのはダルビッシュ有(パドレス)ですかね。以前は登板ごとにムラがあったが、昨年から安定してきました。球の精度をさらに上げれば、メジャーでもトップクラスの投手になれる。メジャーで早く見たい投手です」

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メジャー関係者から挙がる野手の名前は?