
本を売り、動画も発信、作家自身が宣伝活動もやる
今村:そうですよね。システムをとにかくブラッシュアップしていって、先を走っていかないと。それができれば、今度はシステムを販売するっていう立場にもなります。
最近思っているのは、自分たちだけである程度宣伝活動を完結できるような企業を目指そうと。まずは自分を実験材料に使って、4月7日に『人よ、花よ、』(朝日新聞出版)が発売になるので、大阪と奈良の吉野町で、「無料で講演会します」っていうのを告知したんです。その場で本を売り、動画を回して、動画を発信していくということを全部自前でやっていく。そうして何冊動いたかってことを試す。いま出版社も人手不足で宣伝活動もあまりできないところも多いので、自分たちで宣伝活動もやる。今後、自分以外の作家さんにも業務委託じゃないですけど、うちみたいなところに丸投げしてもらい、この予算でなにかやれることないですかって言われた時に活動できるシステムを構築しておけば、いずれ今村翔吾が死んだ後も会社も生き残っていくようになるかなって。うちの社員は若いので自分がいなくなった時にどう出版業界に関わっていくべきか、みたいなことを考えているんです。まだまだやれそうなことがいっぱいありますからね。
(構成/編集部・三島恵美子)
※AERA 2025年3月10日号より抜粋

