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出雲、全日本を国学院大、箱根を青山学院大が制して幕を閉じた2024年度の大学駅伝シーズン。すでに新チームがスタートしている中、今春にはそこに新1年生が加わる。果たしてどの大学が戦力アップに成功するのか。その中にスーパールーキーと呼べる選手はいるのか。
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今や5000mを13分台で走る高校生も珍しくなくなった中、箱根王者の青山学院大には、椙山一颯(九州学院)、櫨元優馬(鹿児島城西)、本宮優心(世羅)、松田祐真(大牟田)、石川浩輝(佐久長聖)の5人の13分台ランナーが入学する予定だ。椙山は全国高校駅伝(都大路)1区区間9位の実績で即戦力となる可能性があり、櫨元は伸びしろ十分の逸材。タイム&実績的には、世代トップのスピードを持つ折田壮太、そのライバルだった飯田翔大、今春の箱根で10区アンカーを務めた小河原陽琉など錚々たる面子が揃った新2年生世代と比べると見劣りする感は否めないが、大学入学後の成長が大いに期待できる面々が揃っており、しっかりとしたチーム作りを続けている。
“復権”を目指す駒澤大には、800m日本記録保持者の落合晃(滋賀学園)が入学予定。「駅伝にすごく憧れもあります」とも語っているが、現実的には800mと1500mを軸にトラック競技で世界を目指すことになる。駅伝チームとしては、都大路2連覇の主力メンバーだった篠和真(佐久長聖)、名門のエース・橋本颯人(洛南)、ロードで強さを見せる増永一心(開新)、さらに牟田颯太、牟田凜太(鎮西学院)の双子コンビに注目だ。これまでも大学駅伝界ではしばしば「双子ランナー」が活躍してきた歴史がある。現在、持ちタイム、実績的に兄・颯太が一枚上となっているが、小中高に続いて大学でも同じチームとなった中でお互いを高め合いながら成長し、上級生になった際には箱根路での“双子リレー”を期待したいところだ。
今年度も「青学vs駒澤」の2強の争いが予想されるが、「3強」となるべく着々と“強い選手”を集めているのが、中央大だ。新2年生の世代も充実のメンバーが揃っているが、さらに新1年生として、濱口大和(佐久長聖)、三宅悠斗(洛南)、辻誉(福岡第一)と3人の13分台ランナーに加えて、石川蒼大(鳥栖工業)、長谷川大翔(須磨学園)、生江倫太郎(学法石川)、安東海音(和歌山北)、杉本憲亮(高田)、井上優人(洛南)と、都大路の主要区間を走った選手が数多く入学する予定だ。特に5000mを13分31秒62の優れたタイムを持ち、エースとして都大路優勝に貢献した濱口は、世代No.1のランナーであり、スーパールーキーと呼べる逸材だ。優れたスパート力を持つ辻、実力十分の三宅、井上の洛南コンビにも期待だ。