さらに注目したいのが早稲田大だ。長距離選手だけを集中してスカウトできない現状から毎年、少数精鋭のメンバーになるが、今年は鈴木琉胤(八千代松陰)、佐々木哲(佐久長聖)、堀野正太(須磨学園)、多田真(洛北)と例年以上に質の高いメンバーが揃った。5000m13分39秒85のタイムを持つ鈴木は、中央大進学予定の濱口と並ぶ世代トップのランナーとして活躍してきた選手であり、都大路では1区で日本人最高記録を樹立した。さらに5000m13分40秒02のタイムを持つ佐々木は、都大路3区で首位奪取の勝負強さを披露。ともに1年時からチームの主力になれる力を持っており、箱根での好走も大いに期待できる。
その他では、国学院大には都大路1区で区間3位と好走した高石樹(高知工業)、都大路の準優勝チームから野田顕臣(大牟田)が入学予定。沖縄の高校出身の具志堅源竜郎、島袋翔(ともに北山)の“島人コンビ”にも注目したい。東洋大は飯田ケビン(小林)、生天目温(学法石川)、小名祐志(佐久長聖)、加嶋翼(洛南)と強豪校から数多くの選手を獲得。順天堂大には井上朋哉(洛南)、三浦清史(札幌山の手)の2人の5000m13分台ランナーが入学する。そして中央学院大、法政大、専修大、山梨学院大、大東文化大、そして明治大などが、積極的なスカウト活動によって多くの新入生を迎え入れる予定となっており、今後のチーム力アップが期待できる。
まだまだ発展途上の高校3年生。高校時代から全国に名を馳せてきたトップランナーが大学でも大活躍する一方、タイム的には目立たないながらロードで強さを見せ、さらに大学入学後に一気に成長するランナーは間違いなく出現する。誰が、どのような成長を遂げるのか。新たなスターは誕生するのか。楽しみは尽きない。
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