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「オンラインカジノ」にハマる人が増えている。スマホでいつでもどこでも賭けられるがゆえに、ギャンブル依存に陥り、多額の借金を背負い、生活が破綻するケースも少なくない。
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オンラインカジノで数千万の借金
東京在住の中島敦さん(29、仮名)は、ヤミ金融などから総額数千万円の借金をした。オンラインカジノの賭け金をつくるためだ。
「朝起きてから夜寝るまで、ずっとオンラインカジノでギャンブルをしていました。仕事中もパソコンに向かうふりをして、スマホで賭けていました」(中島さん)
4年ほど前まで、中島さんは機械メーカーに勤めるごく普通のサラリーマンだった。それほど賭けごとが好きだったわけでもない。
「パチンコやマージャンは月に1回くらいやっていましたが、趣味の範囲でした」(同)
ところが2021年1月、オンラインカジノに「ハマった」。ハマったことで、結果として職も失った。
推計346万人がオンラインカジノで
この数年、オンラインギャンブルにハマる人が増えている。国際カジノ研究所のオンライン調査によると、直近の1年にオンラインカジノで賭けたことがある人は、国内に推計約346万人いるという。
公益社団法人「全国ギャンブル依存症問題を考える会」(考える会)の相談会では、オンラインギャンブルに関する相談が占める割合は、20年に4.1%、21年は10.8%とコロナ禍に倍増。現在は2割前後で推移する。年間全1800件ほど受ける相談者の約7割は当事者の親で、当事者の約8割を20代、30代の若者が占める。
中島さんの場合、きっかけはYouTubeだ。
「オンラインカジノの実践動画を見て、『これならできそうだな』と思い、オンラインカジノのサイトにアクセスしたんです」
「ブラックジャック」に夢中
遊ぶ前の下調べにとアクセスしたカジノを紹介するサイトには、「日本でオンラインカジノを運営するのは違法ですが、海外事業者のサイトで賭けるのは『グレーゾーン』です」と記載されていた(※編集部注:実際は違法)。
「それなら大丈夫だと思った。抵抗感はなかった」(同)
賭け金はたったの100円からという気軽さも後押しした。
カードゲーム「ブラックジャック」に夢中になった。クレジットカードで入金した5万円は数時間で消えた。
「失った金を取り返さなければ、終われない」と思った。