鉄筋工の日雇い労働をしていた40代の頃の水野阿修羅さん=本人提供

 あちこちにいた覚醒剤の密売人も見かけなくなったという。「大きな交差点ごとにいたけど、今は全然見ない。賛否両論あるが、防犯カメラが増えた効果でもある」

 外国人旅行者が増え、22年4月には近くに「星野リゾート」が手がける高級ホテルもオープン。まちの変化を感じている。

 日雇い労働は引退したが、釜ケ崎を離れようとは思わなかった。魅力は「雑多なおもろさ」と言う。

 同じ寄せ場として知られる東京の山谷や横浜の寿町でも一時暮らしたが、「規模が違うし、良くも悪くも雑多な人が集まり、新たな活動や商売も生まれる。カマ以上におもろいところはない」。

「死ぬまでここにいる」と決めている。

《現在発売中の『西成DEEPインサイド』では、西成に逃亡した元・横領犯の男性、炊き出しを続ける「ワルビッシュ」など、西成に生きる人々の話を収録しています》

まちのリアルに迫ったノンフィクション。


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