![古田新太(撮影/横関一浩)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/f/a/669mw/img_fa2a417d36d064af98de9eafc482e8e980970.jpg)
7日放送の「ハマダ歌謡祭★オオカミ少年」(TBS系・金曜午後7時)は、番組で歌われた全1809曲の中から「バレンタインに聴きたいラブソングBEST15」を発表。ガチャピン&ジェシー!奈緒&柚乃ちゃん!Snow Man宮舘&SixTONES &美 少年!など、一夜限りの豪華コラボが大連発!!さらに俳優の阿部サダヲと古田新太が本気のデュエットを披露する。音楽番組のMCも務める古田の歌声は如何に。そんな彼の過去の注目記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2021年9月24日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。
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徹頭徹尾シリアス──。俳優・古田新太さんが7年ぶりの主演映画で、不慮の事故で娘を失い、モンスター化した父親を演じた。
昔から、“お約束”が嫌いだった。観る前から「泣ける」とか「笑える」などと煽られると、途端に白けてしまう。
「子供の頃から夢中になるのは、高尚じゃなくて、くだらないほうの笑い。ザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』はもちろん、伊東四朗さんや小松政夫さんが活躍した『みごろ!たべごろ!笑いごろ!!』『笑って!笑って!!60分』なんかを観て、ゲラゲラ笑ってました。オイラが夢中になる笑いは決まって、『教育上よろしくない!』と問題になって、子供心にも『世の中って面倒くせぇな』なんて思ってました」
映画「ロッキー・ホラー・ショー」を観て衝撃を受けたのは10歳のときだ。
「ドラッグあり、乱交ありで、登場人物全員が、今でいうLGBTQ+みたいな感じで、とにかくぶっ飛んでいた。『オモシロにタブーはないんだ!』と、胸がスカッとしました。“ホモ”とか“オカマ”みたいな言葉って、今はみんな気を使って口にしないけど、言う側と言われる側の関係がちゃんと築けていれば、言ってもいいと思う。『黙れこのオカマ!』って言って、言われた本人が笑えるなら、周りが『差別用語だ!』なんて言葉狩りするのはナンセンス。オイラはむしろ、『ハートウォーミングな~』みたいな枕詞がつく舞台や映画やドラマで、胸がスカッとしたことがない(笑)」
芝居のオファーが来たときも、自分が面白いと思っていないことをやっては失礼だと思っている。だから、主戦場である舞台では不要不急的な笑いを、あえて選んできた。
「“心温まる”作品をやりたい人はいくらでもいるだろうし。オイラは、笑う人もいれば、笑えない人もいる作品のほうがやっていて楽しいので」
そんな古田さんが、映画「空白」では、不慮の事故で娘を失い、その事故の関係者を追い詰めていく父親を演じた。現代の「罪」と「赦し」を映し出すヒューマンサスペンスだが、約2年前、吉田恵輔監督が書き下ろした台本を一読したとき、「一体、この監督はオイラに何を頼んでるんだ?」と思ったという。