Jトラストグローバル証券 執行役員の村上 享〈むらかみ・とおる〉さん(写真・本人提供)
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「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は1月2日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【ランキング表】「PBR1割れ高配当株」ベスト30はこちら!

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 「PBR1倍割れ」が株式市場の上昇キーワードになったのは、東証が上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営をするように要請を出したことがきっかけ。新NISAで長期保有できそうな「PBR1倍割れ銘柄」を見つける方法は?【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024秋冬号」から抜粋しています】

 PBR=株価純資産倍率。会社の解散価値に比べて株価が安い、割安銘柄のことだ。

 PBR1倍割れの株は、理論上、その会社の株を買い占めたうえで資産と負債を処分すると、おつりが出てしまうバーゲンセール状態の株といえる。

 PBR1倍割れでも、永遠に割安では困る。そこで、PBR1倍割れでも改善が見込めそうな銘柄のスクリーニングをJトラストグローバル証券執行役員の村上享さんにお願いした。

 表では30銘柄まで絞り込んだうえで、予想配当利回りが高い順に並べている。

「PBR以外の基準をいくつか追加しました。まず、売上高が5年平均でどれぐらい伸びているか」

日産を残した理由

 稼いでいないことには、はじまらない。しかも安定的に。

「稼ぐ利益の何倍まで買われているかを示すPER(株価収益率)が、日経平均株価の平均PER16倍、TOPIX(東証株価指数)の平均15倍に比べて、どれぐらい割安かをチェックしました」

 PERはPBRと並ぶ定番の株価指標だ。市場平均と比較する。

「会社が持つ総資産に対する利益率を示すROA(総資産利益率)も。会社全体の資産をうまく使って利益が出せているかを見ます」

 PBR1倍割れ銘柄は、オールドエコノミーと呼ばれる重厚長大産業に多い。

 ランキング1位は予想配当利回り5.95%の日産自動車だが、村上さんは「日産はあえて学びのために残した」という。

「日産自動車は2024年4〜6月期の営業利益が前年同期比99%の減益。自動車メーカーの中でも業績が悪いです。

 単にPBRが低くて配当利回りが高いという理由だけで飛びつくと、痛い目に遭う可能性もあります」

この記事が丸ごと読める「AERA Money 2024秋冬号」はこちら!
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自動車の有望株は?