【第67回グラミー賞】ビヨンセ、悲願の<年間最優秀アルバム>受賞後に“とてもシュール”と語る
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 現地時間2025年2月2日に開催された【第67回グラミー賞】授賞式で、ビヨンセが数々の“初”を達成した。『カウボーイ・カーター』が<年間最優秀アルバム>を獲得したことにより、今世紀に入ってから同賞ををリード・アーティストとして受賞した初の黒人女性となっただけでなく、過去4回のノミネートで受賞を逃していた彼女は、ついに長年の悲願であった初受賞を果たした。

 授賞式の後、米ETにこの賞が自身にとって何を意味するのかと尋ねられたビヨンセは、「とてもシュールな感じです。25年間、本当に一生懸命に働き、成長し続けて新たな扉を開こうとしてきましたので……。ですから、ただただ光栄に思います」と語った。

 賞を受け取る際、ビヨンセはプレゼンターを務めたロサンゼルス市消防局のメンバーにエールを送り、授賞式中にたびたび言及された、最近発生した大規模な山火事の際にロサンゼルス市民の安全を守ったことへの感謝の気持ちを伝えた。

 救援活動のための寄付を呼びかけた同番組の中で彼女は、「私たちの安全を守ってくれている消防士の皆さんに感謝し、敬意を表し、称賛したいと思います」と述べ、「ただただ、とても満たされた気持ちで、とても光栄に思います。本当に、本当に長い年月でした」と続けた。

 レコーディング・アカデミーのレポーターが楽屋でビヨンセに話を聞いた際も同様に歓喜に満ちた答えを得た。彼女は、「圧倒されています。とても満たされています。本当にありがとうございます。素晴らしい夜です」と語り、おどけて手首を振りながら、「ビーハイヴがバズってるね!」と笑って付け加えた。

 米ETとの会話で彼女は、ジェイ・Zとの長女ブルー・アイヴィーが母の受賞の瞬間をその場で見届け、壇上に一緒に上がってくれたことを喜んでいると語った。「私より背が高くて、まったく気に入らないです」と、13歳の娘について冗談を言った彼女は、『カウボーイ・カーター』に出演している4歳の末娘のルミにも言及し、「家で見ていたのに、お礼を言うのを忘れていたので、今ここで言わせてください。ありがとう、ルミ」と付け加えた。

 また、ビヨンセはこのアルバムがブラック・カントリー・アーティストの深い歴史をより多くの人々に紹介する手段であったこと、そして同時に、シングル「Texas Hold ‘Em」での熱いバンジョー演奏で、彼女の長いカントリー/ブルーグラス音楽のキャリアに多くの注目が集まることになったであろうリアノン・ギデンズのような当代のアーティストを紹介する機会になったことも認めた。

 ビヨンセは、「バンジョーには深い歴史があり、私はその失われてしまった歴史の一部を再紹介できたことを光栄に思っています。アルバムに反応を示し、心を開いていただけたこと、そして人々がアルバムを歓迎してくださったことをとてもとても光栄に思っています」と語った。インタビュアーが、アルバムでの自身の重要な役割についてギデンズが感動していたと昨年語った言葉を伝えた際、ビヨンセは少し涙ぐんだように見えた。

 「今夜、カントリーのコミュニティから受けた愛情は、本当に私を見てもらえていると感じさせてくれて、とても感謝しています」とビヨンセは述べ、「願わくばこのジャンルを愛し尊敬する人々に対して、彼らがどこから来たかに関わらず、(カントリーの)世界を開放し続けてくださることを期待しています。誰もが招かれるべきです」と語った。

 <年間最優秀アルバム>に加え、11回ノミネートされた『カウボーイ・カーター』は<最優秀カントリー・アルバム>も受賞し、ビヨンセはこの部門で史上初の黒人女性受賞者となった。また、「II MOST WANTED」でマイリー・サイラスと組んだことで<最優秀カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス>も受賞した。

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