踏み込んだ回答すべき

「中居氏と女性の間で何があったかなど、話せない内容があることはわかります。ただ、『中居氏を起用し続けた理由』を『女性への配慮』で済ませるなど納得できない点もありました。もっと踏み込んで、納得感を与える回答をするべきでした」

 また、繰り返し問われたのがフジサンケイグループ代表である日枝久氏の不在や、同氏の進退について。会見では「進退はご本人が決めること」とし、事件とは無関係だと説明した。

「今回の件に日枝氏は直接関わっておらず、説明できることがありません。リスク管理上出ないのが正解です。一方、37年にわたり同社を事実上率いる氏が本件をどう考えているかは、皆が知りたいこと。コメントを代読させる程度はあったほうがよかったでしょう」(江良さん)

 17日の会見後、スポンサー企業は次々にCMを差し止めた。流れは2度目の会見を経ても変わりそうにない。26日放送分まで「サザエさん」の提供社として唯一残っていた西松屋は、28日になってCМ出稿の見合わせを決めた。

 フジテレビが設置した第三者委員会は3月末を目途に最終報告をまとめるという。一方、同社には最終報告を座して待つのではなく、より迅速な対応が必要だろう。

 会見の冒頭、1月27日付での辞任を表明した港浩一社長は「私自身が人権への認識が不足していたこと、そのことで会社全体のガバナンスを十分に機能させることができなかった」と反省を口にした。信頼を取り戻せるか。これからが正念場だ。(編集部・川口穣)

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