「結婚できない人」
2023年の人口動態統計によると、この年の婚姻数は約47万4700組だったのに対し、離婚数は約18万3800組。22年に比べて婚姻は6%減ったが離婚は2.6%増加していた。
にもかかわらず、結婚に重きを置く価値観は今も色濃く残っていて、シングルには生きづらさを感じている人が少なくないのが現状だ。
アエラが昨年12月にオンラインで実施したアンケートでも、「一定の年齢になったら結婚するもの」というプレッシャーを感じたり、価値観の押し付けに違和感を覚えたりするという声が多く聞かれた。
「自分は恋愛感情を抱きづらく結婚願望もないため単身です。『いつかいい人見つかるよ!』『早く相手探さないと!』と言われるとどう答えていいか悩みます」(東京都、29歳、独身女性)
「顔を見るたびに『結婚した?』と聞いてくる人にはうんざりする。結婚が全てか?と言いたい」(兵庫県、51歳、独身男性)
48歳で結婚したという女性からは「『結婚していない』ではなく『結婚できない』人というレッテルを貼られているように感じることはよくあった。また、アンケートで『既婚・未婚』『子供の有無』などを問われることがとても多く、『それって関係ある?』と思ったり、『人の分類って既婚か未婚かの2択なの?』と不快に思ったりしたことはよくあった」との声が寄せられた。
一方、「昔は結婚しないのかとかつきあってる人はいるのかとか余計な詮索を受けたが、最近ハラスメントがうるさく言われているので酒の席でもプライベートのことは聞かれなくなった。とてもよい傾向」(滋賀県、50歳、独身女性)という回答もあった。
(フリーランス記者・山本奈朱香)
※AERA 2025年2月10日号より抜粋