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近年、職場などではプライベートな話題に踏み込むことが少なくなった。とはいえ、様々なシーンで「ご結婚は?」と聞かれることはまだまだあるようだ。結婚願望がない、バツイチの今が快適な人の気持ちは。AERA 2025年2月10日号より。
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「バツイチのシングル、最高に楽しい」
笑顔でそう話すのは、大阪府に住む女性(52)だ。結婚したのは33歳のとき。新卒入社した会社では、女性社員は結婚したら会社をやめる「寿退職」が当然だと受け止められていた。結婚後も仕事を続けることを望むと「旦那さんのお給料、少ないの?」と問われそうな雰囲気だったという。
同僚女性たちは20代のうちに結婚しようと焦り、実際にどんどん「寿退職」していった。女性は29歳になった頃、「まわりの男性が一気に引いた感じがして、自分の株価が落ちたのを感じた」。
早く結婚しなければと感じ、まわりの友人たちに「良い人がいたら紹介して」と伝えたところ、将来が安定していそうな男性を紹介されて結婚することになった。
ただ、夫となった男性は女性が独立して始めた仕事を尊重してくれなかった。義母は仕事を辞め、海外赴任が長かった義父を支えてきた女性だったため、義母と比べて「そこまでして仕事するの?」と言われたことも。男性の収入に頼って生活することにも違和感を覚え、半年ほどで家を出て、離婚に至ったという。
女性はいま「人生が楽しく充実している」と話す。離婚をしたことで腹が据わり、仕事への向き合い方が変わった。さらに、一度は結婚していることで、「『結婚しない』という選択をして一人でいる」と思えていることが、より気持ちをラクにしていると感じているという。
「結婚してよかったし、離婚してよかった。一度も結婚していなかったら今も焦っていたかもしれないですね。結婚にこだわらず生きられる世の中になればいいのに」。その言葉に実感がこもる。