しかし、「遊びを大切」にしながらゲームに熱中するというのは、意外に難しいのだという。
たとえば、愛子さまが夢中になっていたかるた。これは、親の声かけひとつでゲームの性格が変化してしまう玩具でもあるという。
「かるたに素早い反応はいらない。ただ文字を覚えればいい」と、遊びではなく学習ツールととらえる親も少なくないのだという。
古典研究への入り口は、ご両親とのゲーム
愛子さまが学習院初等科に入学してからは、ご一家でゲームを楽しむ機会が増えたようだ。雅子さまが46歳の誕生日を迎えた2009年に公表された写真では、ご一家がボードゲームを楽しんでいる。
「ボードゲームやすごろくには、いろいろな種類があります。たとえば世界各地を回るゲームであれば、旅行の疑似体験をしているのと同じで豊かな想像力を養います。マネーゲームなど戦略を伴う種類ならば思考力を育てるのに役立ちます」(高橋さん)
大切なのは、子どもが小学生など小さいうちは、家族一緒に全力で楽しむことだという。
ワイワイとおしゃべりをしながら賑やかに楽しめば、コミュニケーションの練習にもなる。
さらに5年後、皇太子時代の陛下が52歳の誕生日を前に、団らんするご一家の写真が公表された。
ご一家が楽しんでいるのは、おなじ「かるた」でも百人一首へ変わっている。10歳の愛子さまに、ご両親が百人一首を教えている場面だった。
ここが愛子さまにとって、古典への入り口となった風景なのだろう。
愛子さまは家族で、百人一首に親しんでゆく。中等科時代には、学校の百人一首の大会の行事で圧勝したこともあった。高等科でも平安時代の物語や和歌に関心を強め、大学ではより深く学ぶことになる。
昨年12月、愛子さまの22歳の誕生日には、宮内庁書陵部が管理する百人一首の写本をそっとめくる愛子さまの写真が公開された。
この写本は、室町時代に書き写された現存する最古のもので、愛子さまは清少納言の和歌などに熱心に目を通している。