そんな「リアルもちょっと混ぜつつね」(向井)な舞台だけあって、ふたりが狭いソファでくっついたり、丸まったりする姿は、リアルそのもの。普段から室の部屋で自由にくつろぎ、存分に甘えている向井と、そのことに文句を言いながらも許し受け止めている室の姿が、透けて見えるようだ。向井はこれを、「本当にるーたくんとしゃべってるのをファンのみんなが見てる感じ?」と言い、シルバニアファミリー(を見ている)みたいな感じ」と、Snow Manのメンバー岩本照お気に入りの人形に例えて表現。二人の生活や関係を「ちょっと覗き見」(向井)感が、存分に味わえる。
もちろん“芝居”パートも楽しい。2人が和装でおこなう“殺陣の練習”には、格好のいい見どころも笑いどころもふんだんに盛り込まれているし、向井が某海外ロックスターや、事務所の某先輩になりきれば、室は年令や性別を超えたコスプレで披露と、サービス精神満点。向井お得意の‘ムカえもん’が登場する場面には、向井がずっと憧れてきたというある演出の、予想外な展開も。
とにかく笑いの止まらない100分間だが、終盤、相談を打ち明ける室に、向井が真摯に応じるやりとりには、長年のファンほどぐっとくるのではなかろうか。
会見の最後に、向井は「いまの僕があるのは、やっぱり十何年間、関西でやってきた自分がいるから」という思いを明かしている。
「僕はいまSnow Manにいて」「この前は5大ドームやって、最近は5周年を迎えて、次はスタジアム公演が決まりまして。すごいね、メンバーといる時間が楽しくて、ここにこられてよかったなって日々感謝してるんですけど、でもやっぱりSnow Manが大きくなればなるほど、昔の自分っているやん? それを知らないファンの方も増えていくというか。でも」、「頑張ってきた、いろんな愛をいただいたこの何十年を忘れてほしくないので」
「こうやって室くんとやることによって、『あ、康二くんこんな時代あったんや』『昔めっちゃスベってたやん』『いまめっちゃ面白くなってるしかっこよくなってるやん』みたいな」、「昔のことを知ってた人もいま知ってくれた方も」「味わってくれたらうれしいなと思います。感謝を伝えたいなと思っているので」