もちろん、素直に勉強したほうがいいのは理解しているんだけど、何から始めればいいのかまったく分からなかったんだよね。
それに勉強って一つ問題が解けると楽しくなってくるってよく言うけど、ボクはまったくそう思えなかった。問題を解くたびに、また新たな問題が出てくるから、分からないことがどんどん増えていくような苦痛がボクの中ではあったんだよね。そんな苦痛を味わうくらいなら、最初から勉強しない!って思っちゃったんだ。
今、振り返ると、ほんとヤバい生活をしていたな…。
だから、合格できた瞬間は、もうめちゃくちゃ嬉しかった。宝くじが当たったようなもんだよね。両親もほっとしただろうと思う。あとで聞いた話だけど「やっと家から出ていってくれる」って喜んでいたらしいよ(笑)。
この連載を見ている人の中でも、今、受験で追い詰められて、悩んだりしている人もたくさんいると思う。でも、受験の結果だけで、人生の勝者と敗者が決まるわけじゃない。不合格は決して恥ずかしいことじゃないよ。
もし希望の大学に落ちてしまって、少し偏差値の低い大学に通うことになったとしても、結果的にそっちのほうが良かったって思えることもあるかもしれない。
正直、ギリギリの成績で希望の大学に運良く入れたとしても、その後、学業をこなすだけでいっぱいいっぱいになるような気がするんだよね。それなら、偏差値は低いかもしれないけど、そこの大学で上位の成績をとっていたほうがいいっていう考え方もできるし。
だから、あんまり思いつめないでほしい。
人生、訪れた結果をどれだけ経験値にできるのか、それが重要だから。
でも…もし予備校に通うつもりならサボらないほうがいいと思うよ(笑)。
お願いだから、そこだけは真似しないでほしいしん…。
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)