迅速な難民受け入れを
紛争や迫害によって故郷を追われた人は増え続け、24年4月末までに過去最多の1億2千万人に達した。減る兆候はみられず、最近は先進国への新規難民申請者が急増している。
国を問わず、一人一人の命や尊厳を守る「人間の安全保障」を、日本は推し進めてきた。国際社会の一員として、日本に何ができるか。
田中さんは「政治的なリーダーシップが必要」と説く。
22年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻で、当時の岸田文雄首相はウクライナから日本へ避難する人たちを受け入れることを表明し、査証審査・発給の迅速化などを行った。各自治体も住居提供を行うなど、官民が連携しウクライナからの避難民を支援した。日本社会に難民の受け入れ能力があることが証明された、と田中さん。
「難民の受け入れは、人道的な活動です。難民支援は国としてやるべきというメッセージを出すことが重要です」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2025年1月27日号より抜粋