AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:今の職場に異動後、親切にしてくれた人がいたのですが、ある時期から飲み会に誘っても断られ、仕事でも冷めた対応をされ、悲しい気持ちです。縁がなくなった人ばかり見ていても仕方ないと思いつつ、当時私の親が亡くなった時に温かい手紙をくれたり、上司に叱責された時にかばって一緒に泣いてくれたりしたことが思い出され、振り回されているのはわかっていますが、自分がどうしたいのかわかりません。(女性/郵便業/32歳/ふたご座)
A:僕の直感としては、ちょっと注意したほうがいい人物かもしれないなと感じました。というのも、なんとなく距離感が近すぎるような気がしたからです。
相手の方が単なるいい人だったら申し訳ないんですが、親が亡くなった時に手紙をくれたりとか、上司に叱責された時に一緒に泣いてくれたりとか、本当にありがたいし嬉しいことだからこそ、その後の手のひら返しの温度差にちょっと怖さを感じてしまいました。
僕の占い師としての経験から言うと、よくしてくれる時と、機嫌を損ねたときや手のひら返しした時の温度差が激しい人は、やっぱりちょっと要注意人物です。
相手が自分の意のままに動いてくれないとか、ちょっと気に食わないことがあった時にすぐ距離を取ったりとか、対人関係をブロックする人は、よくも悪くも子どもっぽい人ですよね。このタイプの人たちと、覚悟を決めないまま仲良くなってしまうと、「あの時あれをやってあげたよね」というように強制恩返しを要求される可能性もあるし、期待を裏切るようなことをすると、ハブられたり攻撃されたりする可能性もあります。
だから僕自身は、親切すぎるなとか、この人ちょっと優しすぎるなと感じた人とは、意識して距離を取るようにしています。
そうではないケースの場合ですが、一時期すごく仲良かったけど、最近あんまり仲良くないなとモヤモヤしてしまうことって誰にでも経験があると思います。
そこに隠れているのは依存の心です。相手にこうしてほしい、昔のように自分と付き合ってほしい、という依存。依存がすべて悪いと言うつもりはありませんが、相手に寄りかかっている自分に気づいて依存から距離を取ることも人間としての修業の一つです。
ふたご座は結構こういう悩みを抱えやすい人たちかなと経験的に思います。ふたご座は人が持つ闇の部分にも興味を持つ人なんですよね。好奇心で、相手が本当のところは何を考えているんだろう、どういう人なんだろう、と近づいてしまう。
振り回されているのはわかっている、とのことなので、ご自身でも相手がうまく人の心の中に入り込むようなテクニックの持ち主だということに気づいていらっしゃるかと思います。
この件を一つの大事な教訓にして、自分の中で気をつけておくべき人というカテゴリーを、注意深く眺めてもいいかもしれないと思いました。
※AERA 2025年1月27日号