アマゾン・ドット・コムはネット通販で世界を制覇したイメージがあるが、「グローバル化は十分ではありません」と今中さん。
「米国以外でアマゾンのネット通販が浸透しているのは日本と欧州くらい。アジアには中国系の別の業者がいます。アマゾンは巨大企業ですが、伸びしろはあります」
ランキングには、イーライ・リリーやファイザーなどメガファーマと呼ばれる大手薬品メーカーも名を連ねる。医薬品は米国が競争優位を保つ巨大産業の一つ。
「ハイテクと同じように米国株でなければ買えない銘柄ばかりです。
新NISAで人気の日本株は高配当株が多いですが、米国株は無配または配当利回り1%以下のものが大半。違いが出ています」
今回の米国株ランキングで高配当なのは4銘柄だけだ。
予想配当利回り(2024年9月5日現在)は7位のブリティッシュ・アメリカン・タバコが7.56%、12位のアルトリア・グループが7.44%、16位のエコぺトロールが13.26%、19位のファイザーが5.95%。
「配当利回りは3%以下ですが、コカ・コーラやジョンソン・エンド・ジョンソン、スリーエムも配当狙いで買われた面が強い」
円高リスクどうする
米国株投資をしたいが、今後の円高リスクが……と、ためらう投資家は多い。だが今中さんは「為替に神経質にならなくていい」と。
「今、1ドル=143円だとします。これが130円台前半まで進むという見方もありますが、そうなったとしても為替による損失は10%程度です。
米国の成長株は年50%増も珍しくありません」
米国株は原則1株単位で取引され、100株単位の日本株に比べて手軽に買える。
「米国の企業は、従業員も自社の株を買いやすい水準にコントロールします。
大半の米国企業が従業員にストックオプション(役員や従業員が、自社の株を一定の価格で購入できる権利)を割り当てますが、ストックオプションに魅力がないと優秀な人材が集まりません。
このため、経営者は株価政策を常に考えています。株式を小口に分けて幅広い資金を集め、株価を上げる方向に持っていきたいという考え方が強いようです」