デビューわずか3年11カ月で日本3都市ドームツアー開催という、K-POPボーイグループ史上最速記録を樹立したENHYPEN。2024 MAMA AWARDSで見た彼らの素顔とは──。AERA 2025年1月20日号より。
【写真】2024 MAMA AWARDSで「FANS'CHOICE MALE TOP 10」を受賞したときの様子
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――昨年11月22・23日に京セラドーム大阪で開催された世界最大級のK-POP音楽授賞式「2024 MAMA AWARDS」。ENHYPEN(エンハイプン)は情感あふれるステージを繰り広げ、観客の視線をくぎ付けにした。
楽曲「XO(Only If You Say Yes)」のイントロに乗せ、JUNGWON(ジョンウォン)が大きな満月の前で叙情的に踊る。続く楽曲「Brought The Heat Back」では、メンバー全員でダンサーらと激しい群舞をみせたかと思うと、一瞬で姿を消す。舞台に残されたのは、小さな棺だ。
奈落からNI-KI(ニキ)がせり上がり、有名ダンサーBADAとのクールなシンクロダンス。そして大きな棺の中から現れたのは、SUNGHOON(ソンフン)だ。シャツの胸に刺さったバラを引き抜く。SUNGHOONは、その血に染まった手を自らの首に……。コウモリが飛ぶ満月の夜、空には不気味なオーロラ。映画さながらのダークワールドがドームを覆いつくした。
この日初披露した楽曲「Daydream」はヴァンパイア(吸血鬼)を題材にした演出で、ファンからは「美しくて色気のある雰囲気がたまらない」「ENHYPENの世界がそのままステージにあふれてた」といった声が聞かれた。
競争を勝ち抜いた7人
昨年は、ソウルやアメリカ、日本など世界各地でふたつのワールドツアーを敢行し、1月25・26日に京セラドーム大阪でも予定されている。
彼らの誕生は、2020年6月からMnetで放映された超大型プロジェクト「I-LAND(アイランド)」。世界141カ国の視聴者は若い彼らが切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長する姿を見守り、投票やSNSでデビューを応援。その競争を勝ち抜いた7人が、同年11月30日、デビューした。
彼らのファンはENGENE(エンジン)と呼ばれる。世界中のファンが交流するプラットフォームWeverse(ウィバース)で、ENHYPENは4年間に約4万件のコメントを投稿し、生配信は2年間で450回ほどと、驚異的な頻度で交流を図った。登録者数は1千万人を超え、BTSに続いて2番目の多さを誇る。それほどENGENEへの愛が強い。