佐賀県で開催された「国スポ」のスポーツクライミング競技会場に到着した佳子さま。耳元を飾るのは有田焼のイヤリング=2024年10月14日、佐賀県多久市
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 秋篠宮家の次女、佳子さまは、昨年12月に30歳の誕生日を迎えられた。少子高齢化が進む皇室で多くの公務を担い、天皇陛下を支える皇族として存在感を高めている。日本工芸会の総裁も務めている佳子さま。この一年の公務では、積極的に各地の伝統工芸品のアクセサリーを身に着け、「佳子さま流」の公務がたびたび話題になった。佳子さまが着けたアクセサリーと、工芸を支える職人たちの思いをたどった。

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 職人が引退したり、亡くなったりした後に技術を承継する人がおらず、やむなく廃業することになった伝統工芸は珍しくない――。

 日本各地の伝統工芸の業界の現状をそう話すのは、佐賀市の重要無形文化財に指定されている「肥前びーどろ」をつくる副島硝子工業の副島隆男さんだ。

 昨年10月、「全国障害者スポーツ大会」のために佳子さまは佐賀県を訪問。滞在2日目に、国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統の祭り「唐津くんち」の曳山(ひきやま)の展示場を訪ねた。

 この日の佳子さまは、ギリシャ訪問でもお召しだった藍色のロングワンピースと紺のジャケット、そして耳元には青いガラスのイヤリングを合わせていた。

 このイヤリングは、「肥前びーどろ」が手掛ける「terasu(照らす)」シリーズの「びーどろイヤリング」(税込み8800円)だった。

「お客さんから知らされましたが、まさかうちの品とは……」

 公務で各地を訪問している佳子さまが、伝統工芸のアクセサリーをよく身に着けていることは、副島さんも知っていた。しかし、まさか自分の品とは信じられなかったという。

佐賀県立視覚障害者情報・交流センター「あいさが」で利用者のオカリナ演奏に拍手をする佳子さま。耳元には、地元の伝統工芸品である「肥前びーどろ」のイヤリングが光る=2024年10月27日、佐賀市

「佳子さまは伝統工芸のインフルエンサー」

 日本工芸会の総裁を務める佳子さまは、特にこの1年、各地の伝統工芸品のアクセサリーを積極的に身に着けて、公務に臨んでいる。地域の伝統工芸品や小物を装いに採り入れて、ささやかな応援をするのも皇族方の慣習のひとつになっている。

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「佳子さま効果」は永続しないけれど