近現代の、物故詩人を含む詩人69名の、海にちなんだ作品を集めたアンソロジー。真正面から海を捉えた創作のほか、言葉の海など比喩的な海も含まれる。 三浦半島で生命誕生の営みをつぶさに見つめた「アカテガニの産卵」。かつて厚岸から出港し、沈められた船から無言で帰還した兵士らを偲んだ「ニシン」。指先まで霧に濡れ、耳元に一瞬ケルトの歌声を聴く「釧路の夏」……。郷愁や遠い種への憧れと交歓のほか、東日本大震…

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