野手で一時は活躍を見せたものの、その後苦しんでいるのが野村佑希(花咲徳栄→2018年日本ハム2位)と林晃汰(智弁和歌山→2018年広島3位)の2人だ。野村は3年目から一軍に定着。昨年はキャリアハイとなる13本塁打、43打点をマークしたが今年は不振に陥り、わずか2本塁打に終わった。

 林も3年目の2021年に10本塁打、40打点と結果を残したものの、その後の3年間での一軍でのホームランはわずか1本に終わっている。日本ハムは今年ブレイクした郡司裕也に加えて現役ドラフトで同じ右の強打者タイプの吉田賢吾も獲得。広島もドラフト1位でサードの佐々木泰を指名しており、野村と林にとってはチーム内でのライバルが増えている状況だ。来季も今年と同じような成績に終わると、レギュラー獲得は厳しくなりそうだ。

 高校からプロ入りした選手の中には既にユニフォームを脱いでいる選手も目立ち、1位指名を受けた藤原恭大(大阪桐蔭→2018年ロッテ1位)、吉田輝星(金足農→2018年日本ハム1位・現オリックス)も今年はそれなりの成績を残したものの、期待された成長曲線を描くことはできていない。来季が正念場のシーズンとなる選手も多いだけに、何とかここから奮起して成績を伸ばす選手が出てくることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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