ここまで挙げた3人は高校からのプロ入りだが、大学などを経由してドラフト指名を受けた中にも存在感を示している選手は少なくない。投手では松山晋也(八戸学院野辺地西→八戸学院大→2022年中日育成1位)が育成でのプロ入りながら1年目から支配下登録されて中継ぎとして活躍。今年は41ホールドをマークして最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得した。ライデル・マルティネスが巨人に移籍した来季は抑えを任される可能性もありそうだ。その他の投手では曽谷龍平(明桜→白鴎大→2022年オリックス1位)と金村尚真(岡山学芸館→富士大→日本ハム2位)も今年7勝をマークしており、先発として貴重な戦力となった。

 大学卒の野手で今年大きく飛躍したのが森下翔太(東海大相模→中央大→2022年阪神1位)だ。ルーキーイヤーの昨年は10本塁打を放ちチームの日本一に貢献。2年目の今年は129試合に出場して126安打、16本塁打、打率.275と全てにおいて前年を上回る成績を残すと、オフに行われたプレミア12では全試合4番を任されて打率.357をマークする活躍を見せた。今後も阪神の中軸としてかかる期待は大きい。

 森下以外の野手では村松開人(静岡→明治大→2022年中日2位)、友杉篤輝(立正大淞南→天理大→2022年ロッテ2位)、萩尾匡也(文徳→慶応大→2022年巨人2位)、田中幹也(東海大菅生→亜細亜大→2022年中日6位)なども2年目に大きく成績を伸ばしており、今後が楽しみな存在だ。

 一方で苦しい立場となっている選手が多いことも事実だ。まず名前が挙がるのが小園と並んで4球団競合となった根尾昂(大阪桐蔭→2018年中日1位)だ。ショートとして入団したもののなかなか育成方針が定まらずに結局投手に転向。2022年は25試合に登板したがその後の2年間での一軍登板は2試合、3試合と二軍暮らしが続いている。このオフには背番号が7から30に変更となった。二軍での投手成績は悪くないが、なにか一軍で勝負できる武器を身につけないと来年以降も厳しい状況は変わらないだろう。

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一時は活躍も“厳しい立場”になっているのは…