11月9、10日の2日間はアイドルグループ「Snow Man」のライブがドームで行われ全国から集まったファンで大盛況となった。「駅からドームまで原宿・竹下通りのようだった(笑)。アイドルをどんどん呼べば良いのに」(東京から足を運んだ30代ファン)と使用頻度が増えることを期待する声もあるが……。

「札幌市側は自信を深めたと言われるが、Snow Manだったから盛り上がったまでのこと。日本ハム移転後の目玉として10億円をかけた、場内を幕で区切って2万人前後のコンサートを開く新モードの利用回数は増えていない。年に数回の大盛況イベントを開催できたとしても、経営状況の抜本的改善は期待できない」(経済関連サイトライター)

 11月30日にはコンサドーレのJ2降格が決定、同クラブの経営が厳しくなることが予想される。札幌ドーム・山川広行社長も「J1に比べて観客数の減少につながる」との懸念を示したほど。このような状況下で利用料金を値上げすることになればネガティブな影響が出かねないという声も多い。

「J2の戦いは想像以上に過酷で、『J2沼』と呼ばれるように抜け出せなくなるクラブも多い。コンサドーレは潤沢な資金があるクラブではないので、1年でJ1に復帰できなければドームからの本拠地移転を検討する必要性も出てくるのではないか」(サッカー関連誌編集者)

「『札幌市からはお金を入れず、独立採算で収支を成り立たせていく』とドーム側は力説している。しかし利用する人がいなければ、利用料金値上げをしても赤字解消には繋がらない。コンサドーレが出て行ったらどうするつもりなのか。自治体からのサポートを受けるのは時間の問題ではないでしょうか」(経済関連サイトライター)

 ドームと大和ハウス工業は今年8月から2028年7月31日までの4年間、年間2億5000万円でネーミングライツ契約を結んだ。先行きが心配されたドームの経営に少し光が差し込んだが、それでも「日本ハム移転後、5年間での黒字化は困難」として札幌市は収支計画見直しを発表。経営改善について見通しが険しいのは明白だ。

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