「BASIO2」(シャープ製)
「BASIO2」(シャープ製)
この記事の写真をすべて見る
折り畳み式ケータイ「かんたんケータイ」(京セラ製)
折り畳み式ケータイ「かんたんケータイ」(京セラ製)

 auは7月28日、都内で記者発表会を開き、夏の新製品2機種を新たに発表した。発表したのは、シンプルスマートフォン「BASIO2」(シャープ製)と折り畳み式ケータイ「かんたんケータイ」(京セラ製)。いずれも、高齢者などのスマートフォンに不慣れなユーザーを対象だという。

 「BASIO2」は、操作しやすいスマートフォンを追求している。文字入力の際に、入力のヒントを画面上に表示する「文字入力アシスト機能」を搭載。また、背面カメラにスライド式のカバーがついており、撮影の際はこれをスライドさせるだけでカメラ機能が立ち上がる。起動したカメラは本体横のボタンを押すだけで操作できる。半押しするとオートフォーカスが効き、そのまま押し込むとシャッターが切れる。画素数は外側のメインカメラが約1310万画素、内側のサブカメラが約500万画素。OSはAndroid6.0を搭載した。8月5日発売予定で、標準価格は5万9400円(税込み)。

 「かんたんケータイ」は、ガラケーと同様の二つ折りの形状をした、いわば従来通りの携帯電話。相手の声が聞き取りやすい「au VoLTE」に対応したほか、画面の文字表示やボタンのサイズを大きくし、視認性と操作性を向上した。カメラ機能の充実ぶりも特徴で、約800万画素のカメラに、「手ブレ補正」機能を搭載。また、「顔検出」機能を備え、顔に合わせて自動でピントと露出を調整してくれる。お年寄りでも簡単に高品質な写真を撮れるようにした。そして「4G LTE」という高速データ通信にも対応しており、撮影した高画質の写真を家族に送受信ができる。離れた場所に住む家族同士でも、円滑なコミュニケーションをとれる狙いがある。7月30日発売予定で、価格は未定となっている。

 今回の発表ではシニア向け携帯2機種の発表にとどまり、使いやすさを徹底的に追求したスマートフォンがテーマとなった。この背景について、KDDIの執行役員コンシューマー営業本部長兼コンシューマーマーケティング本部長の菅隆志氏は「親子の別居が増加している状況の中で、その上でさらに世代間のコミュニケーションのやりとりにギャップが生まれている」と訴える。

 離れて暮らす子ども夫婦の世代にスマートフォンが浸透していき、子と孫との家族間では画像や動画のやりとりが当たり前になっている。その一方で、こうしたコミュニケーションから疎外されているシニア世代が少なくないという。こうした問題意識から、徹底的に使いやすいスマートフォン「BASIO2」や、スムーズな写真のやりとりができる「かんたんケータイ」を発売するに至ったという。

 高齢者が子や孫と動画のやりとりを当たり前に楽しめる社会。その先鞭をつけるのがauになるのだろうか。他のキャリアの動きも見逃せないだろう。(ライター・河嶌太郎)

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼