夫と子どもたちは楽しそうでも、めぐみさんは「またモノが増えた」と笑える気分ではありません。どんどん増えていくモノをどこに置けばいいのか、悩む毎日でした。
片づけも家事も、めぐみさんが一人で抱え込んでいました。「私ばっかり頑張っている」「誰も一緒にやってくれない」という孤独感に耐えるうちに、「熟年離婚ってこうやって成立するんだな」と暗い未来が見えてきました。
ある日、いつものようにワンオペで家事をしている最中、子どもが急な体調不良で倒れてしまい、そこから入退院を繰り返すことに。めぐみさんの精神的ストレスは頂点に達しました。
「毎日心の中に黒い石があるような重たい気持ちで……。もうなんとかしたいとずっと思っていましたね」
そこで見つけたのが、“家庭力アッププロジェクト®”でした。何か変われるきっかけになるかもと感じためぐみさんは、参加を決意します。
「何かやらないと、どんどんネガティブな方に進んでいく未来が見えていました。なんとか自分の力で断ち切りたいと思ったんです」
めぐみさんはパートタイムの仕事もあり、家事・育児・仕事と忙しい毎日。片づけの時間を確保したのは、朝でした。
「プロジェクト中に朝早くみんなで片づける“朝活”は10分間だけでしたが、私はその後に少し時間があったので自主的に45分間くらい延長して片づけていました。夜も片づけたこともありましたが、疲れてパフォーマンスが悪かったので朝に集中するために早く寝るようにしました」
主に片づけたのは、朝6時からの約1時間。片づけは時間をかけて一気にやるのではなく、10分でも15分でもいいので毎日続けていくことが大切です。そうすることで、片づけることが習慣になって、きれいな家をキープできます。
めぐみさんはいつもよりちょっと早く起きて、毎日片づけを続けました。自分にとって効率的に動ける時間帯も把握でき、家の中はどんどんきれいになっていきます。
「ゴミの日に出す袋の数が、いつもは二つなのに四つに増えることも。夫が持ってきたおもちゃは、家で使わないモノを私の勤め先の保育園に寄付できたので、もったいないという気持ちもなく手放せました」
片づけを進めるうちに、めぐみさんの気持ちにも変化が起きます。