
“ほどほど”の距離感が人間関係を長続きさせる
健康面では、ほかにもスポーツジムに通ってパーソナルトレーニングを受けるなどしていますが、早朝に近くの公園でのトレーニングも毎日の日課になっています。
すべり台の階段に片足をのせてストレッチしたり、ベンチに寝て開脚したり、鉄棒にぶら下がったり。最初は、ぶら下がることすら全くできなかったのに、毎日続けてきたことで、いまでは懸垂だってできるようになりました。
そんな私の姿を見て、いつの間にか近所の同世代の人たちが集まるようになったんです。最高齢は86歳で、78歳の私は若手のほうです。朝7時から公園に集まって、私のマネをしてストレッチをしたり、鉄棒にぶら下がったりするようになり「ミエ道場」って呼ばれています。毎日鉄棒にぶら下がっていたら「身長が1センチ伸びた」とか、運動で筋肉がついて「胸が大きくなった」なんていう人も。
ただミエ道場に参加しているのは女性ばかり。同世代の男性も公園で見かけるんですが、一緒に運動しようとはしませんね。最近、医師の和田秀樹先生との対談をまとめた『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(宝島社)という本を出したんですが、その中でも、シニア世代は男性よりも女性のほうがずっと元気なことについて話してます。和田先生が言うには60歳を過ぎると、女性は男性ホルモンが増え、逆に男性は減ってしまうとのこと。男性ホルモンが増えると活発になるようで、確かに、街で見かける元気なシニアの多くは女性ですよね。
人づき合いも女性のほうが積極的で、私も運動仲間がいるからこそ、毎朝欠かさず公園に行けるんだと思います。1人きりだと、心が折れちゃうときもあるけれど、仲間がいるからこそ頑張れる。
ただ、この年齢になると新しい仲間を作るのが難しいとか、少し面倒に感じる人も少なくないそうです。それは、必要以上に深入りしちゃうから。あまり深入りすると人間関係が複雑になったり、面倒なことが起こることもあります。だから、距離感を上手に保つことも大切です。ミエ道場の仲間はあくまでも一緒に体操する友達という線を越えずに、朝の体操が終われば「また明日ね」っていうくらい。その距離感が長続きするコツですね。