初めての海外公務の行き先は…?
しかし愛子さまは、夫婦で出席した美術家の横尾忠則氏に「(ご夫婦)どちらのほうが猫好きなんですか?」と尋ねたり、猫がどんどん太っていくという横尾氏の話を受けて「幸せな猫ちゃんですね」と応じたりと、会話の流れに応じた自然なキャッチボールを大切にしている様子だった。この愛子さまの姿勢に、神田氏は「天皇陛下と雅子さまが築いている“令和流”の皇室像」をみる。
「皇室の意義は、常に国民と共に歩むということ。時代の変化とともに、皇族方に対して親近感を求める声も高まりつつある中、国民と同じ目線に立ち、国民の中に入っていこうとする両陛下の背中をしっかり見ていらっしゃるのだと感じます」
この1年間、愛子さまはさまざまな“初めて”に果敢に挑戦し、着実に経験を積んできた。そして23歳という次なる1年を考える時、神田氏には一つ楽しみにしていることがあるという。
「今年2月に愛子さまがケニア大統領夫妻との昼食会に参加されたのは、『今後の公務のためにも、海外の人々と交流する経験を早く積んだほうがいい』という天皇、皇后両陛下のお考えもあってのことでしょう。ともにオックスフォード大学での留学経験をお持ちの両陛下は、6月にお二人で英国を訪問されましたが、きっと愛子さまにも『両親の思い出の地を訪れてみたい』『英国王室との深い関係を継承したい』というお気持ちがあるはず。愛子さまが初の海外公務として英国を訪れる展開があるのかどうか、期待したいところです」
雅子さまは昨年12月9日、60歳の誕生日を迎えた「ご感想」として、愛子さまへの思いをこうつづっていた。
「まだあどけないところも残る愛子ではありますが、いろいろな時に私たちを助けてくれるようにもなってきたと感じます」
飛躍の1年を経て、成年皇族の一員として立派に歩み出した愛子さま。23歳を迎え、さらに広い世界へ羽ばたいていくであろうその姿が、今から楽しみでならない。
(AERA dot.編集部・大谷百合絵)