「ジャンル問わず、音楽が好きなすべての人たちに寄り添うのが私達のスタンスです」と語るタワーレコード株式会社取締役COOの高橋聡志さん(撮影/写真映像部・東川哲也)

 アイドル、ダンスボーカルグループ、K-POP、声優、アニメ、ビジュアル系などあらゆるジャンルの特設コーナーを設置。人気アーティストの新作リリースのタイミングではパネルや映像などを大々的に展開し、ファンが集まる場として機能しているのだ。さらに渋谷店をはじめ全国のタワーレコードでは年間1万回ものイベントが行われ、アーティストとファンが直接会える貴重な機会となっている。イベントの実施については、タワレコのスタッフの“熱意”も大きなポイントだという。

「アーティストの知名度や動員力に関わらず、“応援したい”という人がいるのであれば、出来る限りサポートしたいと思っています。その姿勢はレーベルや事務所さんにも伝わっていて、〈ぜひタワーレコードでイベントをやりたい〉という依頼も増え続けています。店舗のスタッフが〈このバンドでイベントをやりたい〉と企画を持ってくることも。〈採算が合わないから止めたほうがいい〉みたいなことを言われない、大学のサークルみたいなところがある会社なんですよ。そこで関係性が出来たアーティストが後々ブレイクすることもありますね」

スタッフの裁量に任された店舗づくり

「アイドルやK-POPのファンの方、クラシックやジャズの愛好家の皆さんも含めて、音楽が好きなすべての人たちに寄り添うのが私達のスタンスです」という高橋氏。各店舗の店長をはじめ、スタッフの裁量で品揃えやレイアウトが違うのもタワレコの特長。スタッフがお勧めするアイテムを並べたコーナーや、リコメンドのコメントが書かれたポップ広告など、顔が見える店づくりが行われているのだ。

「自分が売りたいものを見つけて、それを売るということですね。もちろん上手くいくことばかりではないですが、私が店舗にいたときから〈それはやめたほうがいい〉と言われたことはありません。もちろん在庫管理は大切ですし、一定期間売れなかったアイテムは何かなどデータ分析もきちんとしているのですが、担当者が〈いい作品だから、置いておきたい〉と判断するならそれでいい。効率とは真逆ですが、それがリアルショップの面白さにつながっていると思います。〈ネットは検索、ショップは探索〉とよく言われますが、店に来てもらえれば、目当てのもの以外のアイテムと出合えることも多いはずなので」

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