ゆか「化粧やバイクとか、その人の好みが趣味で完結されるものは良いけど、食事は出されたものをみんなで食べるから、こだわりが強い人にとっては、それを“我慢している”みたいな意識になっちゃうのかもね」
ひろ「食事に関しても趣味と一緒で、『味の細かい違いはわからないし、興味もない』という人が当然いる。『化粧なんて、誰でも出来る』からと言って、興味のない男性に化粧を教えても、上手くならないし、やる気もないじゃん。
料理も興味のない人に時間かけて教えても、上手くならないしやる気も出ない、という至極当たり前の事を受け入れるべきだと思うのね」
ゆか「自分が好きなものを、相手も同じくらいに好きとは限らない、ということ以外に、質問者さんの中には、忙しい自分よりも暇な相手が、自分が重きを置くものに手をかけていない不満と、『料理は女性がするもの』って考えも少なからず混ざっていて、よりややこしくなっている気がする。
質問に『母の味を知らずに来てしまうことに戸惑いを覚えています』とあったけど、今は私たちが小さかった時と違って、料理というタスクを解決するバリエーションがすごく豊かになった。惣菜も増えたし、冷食もミールキットもある。
だけど、いまだに母の手作りであることに、重きを置いてる部分があるように見える」
ひろ「食事は、趣味とは違って必須であるという思い込みもある気がするね。必須である料理をやる時間はあるじゃないか、みたいな。
手料理にこだわることは必須じゃないよ、とわかってもらいたい。一方で、母の味的なものを教えたいという趣味は別にあっていいと思うんだよね」
ゆか「良いとは思うよ。でもそれは質問者さんじゃなくて、子どもが望んで奥さんが承諾すればって話じゃない?」
ひろ「子どもが望んでなくても教えたいんじゃないかな。子どもはむしろミールキットやファーストフードの方が好きだったりするだろうし」
ゆか「んー、でもそれはただの自己満足じゃない?」
ひろ「趣味なんてそんなもんだよ」