ストレスが溜まる現代社会。僕は一時、その捌け口をアルコールに求めたが、健康診断のガンマGPTの数値がアレになってしまったため節酒を余儀なくされた。
ストレスをどう解消すればいいのか。運動をしてみたが、ずっとやっていると疲れる。ドライブも趣味にしたが、首都高速道路を走るのが怖い。どうすればいいのかと悩み、『警視庁暴力班』を書いたら、結構ストレス解消になったという具合だ。
このように書くと「ストレスが溜まった作家が、ストレス解消のために書いた独りよがりの小説」と思われるかもしれないが、これは半分当たっている。ただ、もう半分は、読者のストレス発散になると確信している。
一作目は在日アメリカ軍の兵士と戦うが、二作目となる『アクトアップ』は、別の大きな組織と戦うことになる。
「犯罪者なんて、ぶん殴っちまえばいいんだよ!」
担当編集者のK氏から届いた帯の惹句である。K氏も、なかなかストレスが溜まっているようだ。
この作品は、爽やかな涙を流すものでも、感動に打ち震えるものでもない。流れるのは血である。打ち震えるのは拳によってである。
ここまで好き勝手書いていて、この文章が掲載されるのが恐ろしくなったが、このまま走りきるつもりだ。
ストレス多き現代社会。突飛な発散方法もない。政治も社会情勢も不透明。物価も高くなっている。コンビニ弁当がどうしてこんなに高くなったのか。こんな世の中に誰がしたと悪態も吐きたくなる。ただ、吐いたところで目の前が変わるわけでもない。僕自身、八方塞がりのように感じる人生だが、それでも生きていかなければならない。進んでいかなければならない。
ぶつかりながら、倒れながら進まなければならない。トライを決められるか分からないが、ともかく前へ。
『警視庁暴力班』および二作目の『アクトアップ』が、皆さまの明日への活力になれば。