――私たちのお金の動きを銀行員は見ているんですね。
菅井:銀行員時代、親しくなった取引先から「不動産賃貸事業を始めようと思うので、融資の他に信頼できる工務店さんや税理士さんなどを教えてもらえませんか?」といった相談はよくいただいていました。たとえば、「50歳を過ぎたらコンサルタントとして独立したい」と考えている人も、上手に銀行と取引をして信頼関係を築いていれば、顧客も紹介してもらえたり、資金面以外のサポートが得られたりします。
人生が有利に
――銀行員はそんなことまでしてくれるんですか。
菅井:特に地元の銀行は地域に密着したネットワークがあり、事業と事業をマッチングする業務があるんです。これからはフリーエージェント時代がやってきます。個人事業主を支援していくのは、銀行です。SNSでいいね!してくれる人はお金を貸してくれません。銀行を味方につけるとかなり人生が有利に働きます。
――いくつもの銀行と付き合っていたほうがいいですか。
菅井:やみくもにたくさんの銀行に口座を作る必要はありませんが、資金調達や取引先紹介の間口を広げるためにも2つ3つの口座があってもいいと思います。余談ですが、増やしていけないのはクレジットカード。クレジットカードは2枚までにしてください。交通系とか百貨店系とか、活用性の高いメインカードを1枚持って、それを補うためにもサブカードを1枚だけ。クレジットカードをたくさん持つと、お金を借りる時に「多重債務の状態ではないのか」とみなされることがあります。将来お金を借りる可能性を考えると、信用を失わない注意が必要です。