現役時代、そろってトークショーに出演した立浪前監督と井上監督(2005年)

井上監督が指揮したファームは2位

 立浪前監督の下で低迷期からの脱却は叶わなかったが、決して無駄な時間ではなかった。高橋宏斗、岡林勇希、細川成也、松山晋也、清水達也と若手が中心選手に成長し、石川昂弥、村松開人、田中幹也、梅津晃大、松木平優太など伸びしろ十分の選手たちもいる。高橋周平、柳裕也もまだまだ老け込む年ではない。チームの中心で引っ張ってもらわなければ困る。

 今季1軍は夏場にはCS争いから脱落し、借金2ケタから抜け出せなかったが、井上2軍監督が指揮をしたファームは違った。ソフトバンクとウエスタン・リーグでシーズン終盤まで熾烈な優勝争いを展開。惜しくも2位に終わったが、71勝46敗7分の好成績を残した。

 ファームで対戦した他球団の首脳陣はこう語る。

中日のファームは活気があるんですよ。試合中にミスが出ても取り返そうと声が絶えず出ていて、モチベーションが高い印象でした。来年井上さんは1軍の監督になるので違った苦労があると思いますが、良い監督になる資質を備えていると思います。指導者像で重なるのは、広島の新井貴浩監督ですね。いきなりリーグ優勝は厳しいかもしれませんが、CS争いに食い込む可能性は十分にあるでしょう」

 中日は最近10年間で最下位が4度、5位が5度。常勝軍団構築への道は険しいが、井上監督は中日を変革できるか。

(今川秀悟)

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