伊勢神宮を参拝する愛子さま。聖域でお召しの白いロングドレスの参拝服が美しい=3月26日、三重県伊勢市、朝日新聞社
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 さまざまな宮中行事や祭祀を、世代を超えて受け継いできた皇室。伝統を守り続けてきた皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年3月28日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

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 白い参拝服に身を包んだ天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが26日、皇室の祖先とされる天照大御神を祭る伊勢神宮(三重県伊勢市)を参拝した。大学の卒業と就職を報告をするためで、おひとりで地方を訪問するのは初めてのことだ。愛子さまが着用していたのは白い絹地のロングドレス。この色にも意味があるという。
 

 小雨の降るなか、白い参拝服で扇子を手にした愛子さまは、伊勢神宮の参道をゆっくりと進み、正宮で玉串を捧げて参拝した。

 天皇家では、成年や卒業など人生の節目に、皇祖神である天照大御神が祀られる伊勢神宮に参拝することが慣例となっている。

 愛子さまは2014年に続いて2度目。このときは、前年の秋に執り行われた式年遷宮「遷御の儀」を受けて、ご一家での参拝だった。

 12歳だった愛子さまは、正装として学習院女子中等科の制服で臨んだ。健康的に日焼けした愛子さまに、夏用のセーラー服がよくお似合いだった。

 このときの伊勢神宮の周辺の沿道には、愛子さまの姿をひと目見ようと大勢の人たちが集まり、帰路に着くご一家を乗せた車は速度を落としてゆっくりと走った。

 後部座席には、明るい笑みを浮かべて手を振る、当時の皇太子さまと雅子さま。おふたりの間に愛子さまが座り、恥ずかしそうに少しだけお手振りをしていた。そんな可愛らしい様子を、集まった地元の人たちも顔をほころばせて見守っていた。
 

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幼かった愛子さまが…