猪飼さんが2016年から3人の子どもとともに暮らすニュージーランド。留学生の受け入れに積極的なことで知られている(写真:AP/アフロ)
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「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は10月18日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【図表を見る】「海外で暮らす日本人の数」は、ここ30年でどうなった?

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 海外への教育移住を考える理由は、激化する中学受験から逃れるためだけでない。学費コストがかからない英語圏の国への移住を選択する人も。子どもの英語力が上がるだけでなく、自身のキャリアもしっかり築いている。AERA 2024年10月21日号より。
 

コスパの良さでアジア圏に熱視線が送られるものの、英語圏への留学も相変わらず根強い人気がある。我が子になんとか英語力をと願う親の中には、学費コストを抑えるために親子で移住するという選択をする家庭が出てきている。

「家族で移住してしまえば、高校卒業まで学費はタダです」と説明するのは、ニュージーランド在住の猪飼志能さん(48)だ。16年4月、当時小学4年生に進級予定だった長女、小学校入学を控えた次女、3歳だった息子の3人の子どもを連れて東京から移住した。

 ニュージーランドは、留学生の受け入れを積極的に行ってきたことで知られている。「留学生」は公立でも現地の子どもの何十倍もの授業料を支払うことになっているが、「条件の揃ったビザを持つ家族の子ども」は自国の子どもと同じと見なされ、公立学校の場合は学費がほとんどかからない。

 移住にあたっては入念に戦略を立てた。まずは、親が学生ビザを取得、子どもはその帯同ビザで入国した。日本での仕事を辞めてきた夫は、語学学校に入学。一方の猪飼さんが選んだのは、大学ではなくパンや製菓の専門学校だ。「こちらで英語を教える仕事を見つけるのはハードルが高すぎます。当たり前ですが、みなさんネイティブですから」と話す。

 大学で英文学を学び、日本では英会話教室の講師をしていた猪飼さんは、すでに英語ができるため、夫が就労ビザを取得するよりも自分が仕事を見つけて申請する方が早いのではと考えたのだ。そこで、もともと好きだったパンやお菓子作りを現地での仕事に繋げようと思いつく。

塾代で悩む親いない

 専門学校に通いながら就職先を探し、ビザの発行が可能なカフェで働く道を切り開いた。今はハイティーを出すカフェでパティシエとして働いている。ビザは、就労ビザ、永住権と段階的に取得した。

 そのため、子どもたちの学費は全てタダ。生活費はかかるが、それは日本国内に暮らしていても同じことだ。

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娘は飛び級で早大合格