昭和の舞台に非常になじむ
第1話の世帯視聴率は11.0%と2桁発進(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。総選挙特番で2週間ぶりとなり、日本シリーズで放送開始も30分遅れとなった第2話は、それでも世帯視聴率9.3%と、今クールの連ドラでは奮闘している。
「軍艦島でのシーンでは、リアルなロケは場所が限られてしまうため、合成を多用してリアリティーある映像を構築しています。『水の配給』や『公営住宅の取り合い』など、軍艦島ならではの生活の営みを丁寧に描いているのは見事です。島自体はとても狭く、最盛期の頃は世界一の人口密度を誇っていたわけですから、エキストラの配置も含め1秒たりとも手を抜けない。そんな狭くて窮屈な軍艦島で神木さんが主人公として躍動するさまは、レトロでありつつ新しい映像にもなっています」(同)
一方、民放ドラマ制作スタッフは軍艦島のシーンにおける神木の重要性についてこう語る。
「『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督は、神木さんをキャスティングした理由として『昭和の舞台の中に置いたときに非常になじむ、自然と風情に溶け込む力を持っている』とコメントしていますが、その言葉通りジャストフィットしており、神木さんがいることで軍艦島のリアリティーが補完されています。映画俳優としては代表作が多い神木さんですが、主演ドラマとしてはさほど作品に恵まれて来なかった感もあるので、『海に眠るダイヤモンド』は30歳を超えた神木さんにとって待ちに待った代表作になり得ると思います」