今回は長文です。先にお詫びします。
ごめんなさい。
写真甲子園のブロック別公開審査会が終了し、
7月下旬に北海道東川町で開催される本戦に
出場する高校がすべて決定しました。
出場校はこちら→ http://syakou.jp
すでにお伝えした通り、
僕は6月18日に北関東ブロック、
翌19日に北信越ブロックで審査を務めました。
まだ本戦が残っていますが、
ひとまずブロック別審査を終えての感想を言うなら、
「正直、しんどかった」です。
私事で恐縮ですが、僕は高校野球の増刊号の
担当編集者をしていたことがありました。
もともと無類の野球好きなうえ、
母校の野球部も僕が3年生になる直前の春に
センバツ大会に出場したこともあって、
「甲子園」には特別な思い入れがあります。
写真甲子園を高校野球に見立てるなら、
北海道東川町は阪神甲子園球場。
これには異論はないでしょう。
では、昨年から始まった全国11カ所の
ブロック別公開審査会は何に相当するか。
僕は地方大会の決勝に思えてしかたないのです。
夏の甲子園大会って「汗」「涙」なとど形容されますが、
選手たちの戦いは地方大会の初戦から始まっています。
むしろ、全国で繰り広げられている
地方大会の方が苛烈だったりします。
26年前、僕の母校もセンバツ大会に出場しながら、
夏の地方大会で苦戦し、ようやく決勝にたどり着くも、
対戦校の1年生エースにねじ伏せられました。
(その後、このエースはプロ野球入りするのですから、
ある意味で納得できたのですが……)
僕が甲子園の増刊を編集していた時も、
春のセンバツの準優勝校が、夏の地方大会、
それも2回戦でまさかの敗戦となりました。
およそ勝負事はフタを開けて
みなければわからないものです。
事実、僕が審査したブロックでは、
最近の優勝校が軒並み涙を飲みました。
優勝経験のある学校や強豪校は、
高校野球でも同じことが言えますが、
「甲子園出場は通過点。目標は全国制覇」
であるはず。本当に悔しかったと思います。
そうでなくても、本戦出場がかなわないのは、
とてもつらいことだと思います。
今回、本戦出場校が発表されるたびに、
出場がかなわなかった高校の生徒たちが
涙にくれるのを、何度も目撃しました。
野球の甲子園もそうですが、
甲子園の土を踏めるか踏めないかの間には、
大きな隔たりがあります。
そこで流す涙は甲子園で流す涙とは
異なると思います。
それも、その大きな分かれ目を左右する点数は、
ほんのわずかな差。
採点する側がこういうことを書くのは
いけないのかもしれませんが、
なんとも無情な話です。
強豪校ひしめくブロックでありながら
出場校の枠が少ないとか、
審査委員は私たちの作品を理解してくれなかったとか、
思うところはいろいろあるかもしれません。
しかし、定められたルールの下で、
僕らも懸命にみなさんの作品を見て、
熱い思いに耳目を傾け、しっかり採点しました。
そのへんはご理解ください。
いたずらに長くなってしまいました。
出場するみなさん。
出場できなかったみんなの分も頑張ってください。
みなさんが健闘するほど、
出場できなかったみんなが報われるはず。
再び東川町で会えるのを楽しみにしています。
出場できなかったみなさん。
今回は残念でしたが、もし気持ちが切れていないのなら、
これからも写真を撮り続けてください。
1、2年生のみなさんは来年に向けて、
3年生のみなさんは卒業してもぜひ!
ブロック別公開審査会まで進出したことだけでも、
相当な誇りだと思います。
進学先や就職先でもいいですし、
なんならカメラ雑誌やSNSへの投稿でもいい、
ここまで培った「写真力」を発揮してみてはいかがですか。
そこで大きく羽ばたくことができたなら、
流した悔し涙も笑い話になることでしょう。
「あの着物の編集長、私の才能の気がつかなかったよね」
そう言って笑ってもらえたら、僕としてはうれしいです。
むしろ審美眼を鍛えようと頑張ることができるので。
そうやってお互い刺激しながら高め合っていける。
そんな関係でありたいと心から思います。
では、またお会いしましょう。