巨人の菅野
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「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は10月11日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【写真】チェンジアップが高評価。「菅野より活躍する」という声もある投手はこの人

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 シーズンが終了し、メジャー挑戦の意向を表明している選手たちの動向が気になってくる。筆頭格は、巨人の菅野智之だろう。

 菅野は今オフに海外FA権を行使し、メジャーに挑戦する意向を表明した。今季は15勝3敗、防御率1.67で最多勝、最高勝率のタイトルを獲得。昨季は4勝8敗、防御率3.36と不本意な成績に終わったが、見事な完全復活で4年ぶりV奪回の原動力になった。

 菅野は球界を代表する投手だ。最多勝のタイトル獲得は今季で4回目。最高勝率は2回目となる。このほか、最優秀防御率4回、最多奪三振2回と華々しい成績を残してきた。最優秀選手にも2度選ばれており、今季も有力な候補だ。

 菅野のメジャー挑戦は初めてではない。20年オフにもポスティング・システムでメジャー移籍を模索したが、数球団と交渉して契約合意に至らなかった。

「20年は新型コロナウイルスの影響でメジャー各球団の財政が厳しい状況でもあり、条件が合わなかった。今の菅野は、条件面での大きなこだわりがないでしょう。35歳という年齢を考えると、長期間プレーできるわけではない。悔いのない野球人生を送りたいと考えたとき、憧れのメジャーに挑戦したいと決断した。体のキレを取り戻しましたし、まだまだ活躍できると思いますよ」(スポーツ紙デスク)

 メジャーは菅野をどのように評価しているだろうか。メジャーでプレーする選手の代理人はこう分析する。

「菅野は日本のエースとして活躍していたので、米国でも名前が知れ渡っている。彼の強みは狙ったところに投げられるコマンド能力。日本でトップクラスでしょう。多彩な変化球を投げられますが、メジャーでは縦に落ちる変化球が有効なので、フォークが効果的になる。三振奪取能力が高いとは言えないですが、年齢を考えると直球の球威が落ちるのは仕方ない。総合力の高さを考えれば、先発ローテーションの4、5番手で獲得に興味を示す球団が多いのでは。2ケタに届けば十分で、7、8勝はできる。メッツ、カージナルス、レンジャーズ、エンゼルスは先発陣のコマ不足が深刻なので動きが気になりますね」

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今年7勝10敗でも広島・九里が評価される理由は?