●UFOキャッチャー、プリクラ 「ゲーセン」を外国人にも楽しんでもらいたい!
インバウンドで訪れる観光客にとって、日本での買い物は非常に重要な機会になっている。実際に接客を行う現場ではどのようなインバウンド施策を行っているのだろうか。
――最近は買い物に関連した検索ワードでいうと、服のサイズなどを計る「サイズ表」が伸びているのですが、イオンモールの現場ではそういった課題をクリアするために多言語対応以外に行っていることはありますか?
「イオンモールでは、指差しのツールを使って対応を行っています。このツールでは免税の手続きやサイズなどの記載、飲食店での受付の際に使う言葉が載っています」
――この表は現場からの声がきっかけで作られているのですか?
「そうですね。運営側としても、お客様の声を収集するだけでなく、実際に対応する現場からの意見も反映して、こういったツールを開発しています。一方で業種によってはもっと細かい単語を反映した物が欲しいとの声が挙がっているので、今後は業種別のシートを作っていきたいと思っています」
最近は、買い物や飲食だけでなく、意外なサービスにも言語対応の需要があるのだという。
「最近はネイルサロンやゲームセンター、映画館といった場所でも、インバウンド対応の需要が高まっています。特にゲームセンターにおいては、UFOキャッチャーなどといった日本でしか楽しめないものを目当てにいらっしゃるお客さまが実に多いのです。我々のチームも正直な話、ゲーセンでインバウンド対応を行うつもりはなかったのですが、ある現場ではたくさんの外国からのお客さまが来ているので、遊び方などの説明を外国語で対応をしたいという声が挙がってきたものですから、じゃあ一緒にインバウンド整備もやっていかないといけないよねということで、コインの入れ方だったり、ゲーム機の使い方だったりそういうものをポップなどに落としこんで、対応しています」
――日本にしかないサービスという視線と海外で人気の日本のアニメコンテンツという意味ではゲームセンターはまさに理論通りかもしれませんね!
●トレンドは家電から日用品へ? 対策から見えた外国人観光客の真の姿
イオンモールでは、一定金額以上の買い物をしたお客さまに対して、クーポンやポイントではなく、日本製の「お箸」をプレゼントする施策を行ってきた。それは一体なぜなのか。
「実は我々も当初はお買い物券による割引を行っていたのですが、現場からお買い物券を差し上げてもあまりお客さまに喜んでいただけなかったという意見が挙がってきました。そこで、今年の春節ではお箸をプレゼントする施策に切り替えたのです」