長井短さん(撮影・慎芝賢、ヘアメイク・小園ゆかり、スタイリング・Takashi)

イレギュラーな席を作っておきたい

――今後はどんな作品を書いていきたいですか。

ハリー・ポッターから物語、小説を好きになったので、いつか児童文学の世界観を描いてみたいと思います。

――それは楽しみですね。ちなみに演じる仕事でお忙しいと思いますが、執筆時間はどうやって確保しているんでしょうか。

 仕事の合間に書くのは難しいので、休みの日、仕事の後、時間がある時にちょっとずつパソコンに向かって書いています。ただ、なかなか決まった時間をとるのが難しくて。マネージャーさんにも「スケジュール的に無理があるのでは?」と言われてしまうときもあります。ただ「書きたい、書く」と言い出したのは私ですし、自分がやりたいことだから、それはもう無理してでも書きます。締め切りに向けて黙々と、時には「これを書き終わるまでは寝ない」と頑張って、朝方まで書いていることもあります。

――これからどんな演者、どんな書き手になっていきたいですか。

 私、物心ついたころから映画を見て「演じる人になりたい、俳優になりたい」と思ってきたんですね。ただ子どもの頃「自分はきれいじゃないから俳優にはなれないな」「きれいじゃないからこの役は演じられないな」とあきらめかけたこともあったんです。でも俳優ってきれいな人だけができる仕事ではないじゃない。この「きれいじゃないから俳優にはなれない」という気持ちにさせない、俳優になりたいです。「この人がやっているなら、自分も(俳優を)やれるな」と、見ている人に思ってもらえるような。できるだけイレギュラーな位置、席をつくっておくからね! といつも思っています。

 書く仕事は、今後もできるだけたくさん書いていきたいです。私、小説を書くようになってから生きやすくなったんです。「納得できない、こんなのおかしい」と感じた心の中の小さな粒を、4万字(400字詰め原稿用紙100枚)にできることは自分にとってすごく救いになりました。だからこれからも書き続けていきたいです。

(構成/編集部・工藤早春)

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