環境省発行の「環境バイオマスストーブ 環境ガイドブック」から

 市はトラブルについての内容は明かさないと前置きしつつ、

 「煙や臭いをどう感じるかは個人差があります。使用する時間帯、風向きなど、近隣の方には配慮して使用してほしい」(担当者)

 市の広報で注意を呼びかけるなどの対応をとったという。

 地球温暖化防止に役立つなど環境に優しいとされ、森林資源の活用にもつながる薪ストーブ。ちょっと「ロハス」な暮らしに憧れる層への人気が年々高まっている。

  ただ、主に煙と臭いが原因で、思わぬご近所トラブルになるケースは全国で発生している。

  自治体に苦情が寄せられ、中には煙による健康被害を訴えた事例もあるが、因果関係は簡単に証明できない。このため、自治体側も「住民同士で解決していただく話」と、困り果てているのが実情だ。

 未然にトラブルを防ごうと、ホームページなどで適切な使用方法を守ることや、引っ越しを決める前に近隣住民に事前確認をするなど、配慮を忘れないように呼びかけている自治体は少なくない。

 環境省も薪ストーブを使用する際のガイドブックを作成しており、その中でトラブル発生についてのリスクを明記している。

例えば、

▽十分に乾いていない薪を燃やすと有害物質を含む排ガス(煙)がより多く放出される

▽塗料などのついている薪を燃やすと有害成分が発生する恐れがある

▽煙突に臭いのもととなるタールがたまらないように清掃やメンテナンスをする

 などの注意事項を列記。

 さらには、煙突が隣家の窓やひさし、洗濯物の干し場が近い場合や、隣家が煙突より高層の場合などに煙やにおいの被害が出やすい、と解説し、設置の際は十分に注意するよう促している。

 前述のトラブルは都市部のケースだが、移住者に人気の土地でも問題は発生している。

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