流しをみると汚れ物が溜まっているじゃないか。食器を食洗機で洗う。稽古したいのに。あ、食洗機の洗剤が切れていたので買い物に行かねば。ならば一緒に買うべきものをメモしよう。「食洗機洗剤、麦茶パック、焼き海苔(味付きでないもの)、ビール3本、キッチンペーパー……」。

 そういえばこないだの仕事の請求書を書いていなかった。3件の請求書を作り、控えをコピーして、A4サイズ三つ折りが入る封筒が切れているのに気づき(いまだに紙の請求書)、それも買い物リストに加える。

 「あー、もう! いつになったら稽古出来んだよ!!」と独り呟きながら、リビングに散らばってるものを片付けてからお掃除ロボットを作動させる。くたびれてソファに腰をかける。時計を見ると昼前になっている。

 なぜか知らないがここでテレビをつける。この時間は観たい番組がまるでない。どういうわけかNetflixをつける。観たい作品が山ほどある。どれにしよう、どれにしよう……。

 カーソルを合わせ、内容だけ読んでいるうちに「そうだ! 『Mr.マクマホン:悪のオーナー』が配信されているはずだ!」と思い出す。アメリカのプロレス団体WWEのオーナー、ビンス・マクマホンとその周辺人物のインタビューをまとめたドキュメンタリーだ。ついつい第1話だけ観てしまった。

 面白すぎる!! 稽古しなくてはいけないのに、この面白さ!! いや、これも落語になにか生きてくるはず、決して無駄じゃない! と自分を納得させる。

 気づいたら13時過ぎ。なんだか腹が減った。買い物ついでに近くに開店したカレー屋さんに行こう。買い物を終えて入店。慣れないQRコードでなんとかチキンカレーを注文した。「ジカンカカリマス」とインド人のマスター。稽古したいのだから早くしてもらいたいがワンオペなのでしかたない。

 直後にメニューにビリヤニを発見。

「(食べたいなぁ)……今からビリヤニに変えられますか!?」

暮らしとモノ班 for promotion
老後に「友達」って本当に必要? 改めて「人とのつながり」について考えたい時に読む本
次のページ
お釣りをアピールするのはつらい