では、なぜ女性は生成AIを使わない傾向があるのでしょうか? アールト大学のダニエル・カルバハル教授らの研究では、学生を対象に生成AIにおけるジェンダーギャップを検証しています。成績が上位の女性ほど、生成AIを使わない傾向が確認されました。

  このような現象が起こる背景について追加検証をしたところ意外な理由が見えてきました。優秀な女性ほど、自己制限的な態度をとり、「良い女性」であろうとする社会的期待から、生成AIを積極的に活用しない選択をしていることが示されたのです。言い換えると、生成AIはチート、ズルをしているという風潮も生まれつつある中で、使ってはいけないものという自己暗示に、女性ほどかかっているかもしれないということなのです。

  女性ほど、良い子であるべきという社会風潮が存在していることを示唆する研究は多数あるのですが、まさに生成AIでも同様の傾向が起きているのかもしれません。

私も共感した生成AIジレンマ

 この研究結果を聞いた時に、私は「わかる!」と感じました。というのも、ある共同研究においてアンケート調査項目を考えている際、「生成AIはズルだ、先行研究を自力であたって、自分のみで考えなくては」と追い込んでいたのです。しかし、共同研究者の男性の先生に、「どんどん生成AIを使おうよ! そして、どんどん人間の力で修正していけばいいじゃない!」と言われて目の前が明るくなったことがあったのです。様々な研究者の方々が、生成AIに批判的なコメントを出していたので、私の中で勝手に使ってはいけないものという先入観ができていたのかもしれません。自力で作成していたら3カ月はかかっていただろうアンケート調査項目も、時間短縮して出来上がりつつあります。

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