プロ2年目に19歳7カ月で出場し、日本一につながる貴重な1点をもたらしたのが、中日・平田良介だ。
07年、ファーム日本選手権で巨人を下し、ファーム日本一になった直後、「呼ばれるとは思っていなかった」1軍合流を告げられたことが、幸運の始まりだった。
日本ハムとのシリーズ第3戦から先発に抜擢された平田は、3勝1敗で迎えた第5戦の2回1死一、三塁、ダルビッシュ有の外角高め直球をコンパクトに振り抜き、先制の右犠飛。この虎の子の1点を山井大介、岩瀬仁紀がシリーズ史上初のパーフェクトリレーで守り抜き、中日は53年ぶりの日本一を達成した。
「歴史に名前が残るのでうれしい」と本人も感激した10代の快挙だったが、完全試合のインパクトが強過ぎて、陰に隠れてしまった感もある。(文・久保田龍雄)