最近SNSで「メンタルが強い人の特徴」として、ある考え方が紹介されていました。それは人の話を聞くときに「頭の中にザルを用意する」というやり方です。自分が受け取る必要があるものだけザルの中に残して、それ以外のものは全部流してしまう。いいアイデアですよね。

 例えばバイト先で「あなた作業が遅いね。そんなんでやっていけるの」と言われたとします。受け止めるべき情報は、「自分は作業が遅いんだな」という部分だけ。どうやったら速くなるか、次から工夫すればいい。「そんなんでやっていけるの」という嫌味の部分は、受け取る必要がないのでザルから流しましょう。一つの失敗から、自分はダメな人間なんだ、だから恋愛ができないんだ、とどんどん積み重ねて考えることはなるべく避けてください。

 今は便利な時代で、私たちはあらゆる面倒な関係性から切り離された場所にいます。洋服を買うにしても、店員さんと話す必要もないし、配達もしてくれる。便利でありがたい半面、どの関係性からも切り離されてしまうと、生きることが虚しくなっていくような気がします。こんな時代だからこそ、ちょっと周りとの関係性を増やしていくとか、太くしていくみたいなことをやっていきたいなと僕は思っています。例えば友だちとご飯を食べる時、毎回割り勘じゃなくて「今日はちょっと嬉しいことがあったから、このハンバーグおごらせて」と貸し借りを作ってみたり。「この前出してもらったから、今回は私が出すよ」と言ってくれる人と関係を続けていけたらいいと思います。

 どこか好きなお店があれば常連になってそのお店を見守っていく、育てていくのもおすすめです。何かを育てる感覚があると「生のむなしさ」から離れることができるから。

 貸し借りとか関係を太くしていった先に、彼氏とか恋人の存在がつながってくるような気がします。

AERA 2024年10月21日号

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